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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.229 Zeichen · 389 Bildschirme

Aozora Bunko

「なんだ、こんなところに、こんな竹筒っぽうがひっかかっておる」

と、指を冷たい水にぬらして、川岸の水草の根のあいだからつまみあげたのを見ると、籠花活けのおとしらしい竹筒だ。

「なにかと思えば、くだらぬ……」

つぶやいた左膳、そのまま草むらへ投げ捨てた――イヤ、投げ捨てようとして、ふと気がつくと、その竹筒の口に、蝋のかたまりがついているではないか!

竹筒の口を、蝋で封じてあるのだ。ハテナ……と、好奇心をそそられた左膳、コツコツと竹のさきをかたわらの立ち木の幹に打ちつけ、蝋をうち落として中を見ると!

「オヤ、文がはいっておるぞ」

「フーム、この上流から流したものらしいな」

と源三郎も、仔細ありと見て、寄ってきた。とりかこむ人々のなかで、心きいた一人が、がんどう提灯を左膳の顔へ、かかげる。

闇に浮かぶ隻眼刀痕の妖面。

「なんだと?」

竹筒の中から取り出した文を、一度黙読した左膳は、ぎょっと顔色を打ち変え、

「われら母娘の者は、ごま堂の人柱に塗りこめられんとして、今この崖の上なる一つ家にとじこめられておる者なり、お救いくださらば、世々生々御恩は忘るまじく……お蓮、お美夜、とあるぞ」