Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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のぶこ

伸子

宮本 百合子

Lesen Sie 伸子 (のぶこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.543 Zeichen · 466 Bildschirme

Aozora Bunko

伸子は、云った。

「あなたがそうおっしゃるのも、私には解る気がしてよ。あの人の性質のうちにあるものがね。――そうでしょう? それはよく判っているのです。――私何もかも分らない程のぼせきっているわけじゃないんですもの。――でも、あなたどうお思いになって? 私には一つの信仰があるのよ。――愛は人間を変えると思うのです」

直子は、急に、漠然として掴みえない眼付で伸子を見た。

「……そういうことも、そりゃあるかもしれないけれど」

「私はきっとあると思うの。つまり、境遇や何かのために下積みになっていたいいものが、順当な光で育ちだすというわけね」

「……佃さんはご親切だし……それは私だって、あの方の幸福は願っていますわ」

伸子は熱心に云った。

「私は、それに、ただ元気で快活で交際上手な薔薇色の青年は、どうしても好きになれないのよ。人間の苦しさも抜けて来た人でなくてはつまらないわ。暗いところ、悲しいところ、そこも知っているが、立派な明るさ、晴れ晴れしさ、そこも判る。……佃さんは今、暗い方が周囲にありすぎるという状態でしょう? 私、あの人がそこを抜けて、だんだんしっかりした高い明るさを持つ。