Japanische Klassiker mit Furigana
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のぶこ
伸子
宮本 百合子
Lesen Sie 伸子 (のぶこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.543 Zeichen · 466 Bildschirme
「今度のことは私、遊びではないの。万一、母様と私との意見が違っても、私の決心は変らないの。だからできるだけ解り合いましょうね」
多計代は、紅茶をさして、一口飲んだ。
「……いつかは話さなければならないことだからそれもよかろう――皆はお前が騙されていると云っているよ」
「あの人は、自分に何もないことを、初めから隠してはいなくてよ」
「隠さないということで、お前の子供らしい歓心を買っているのさ」
「まさか!」
「じゃあなぜ、ちゃんとした紳士らしく、お前が何と云っても、一先ずは帰って来てだね、私どもの承諾を得てからにしないのだえ。――相当な親がついているから、どっちに転んでも損はないと思えばこそ、お前をつかまえたのだろう?」
伸子は、母の手をとって、自分の手の中へ押しつけた。
「それは思い違いよ。絶対に。それにこういう事柄は、一方だけのものじゃない、私だって、責任は半分あるのよ。第一、母様のように考えたら堪らないわ。私なんぞ、そのために騙そうと思うようなもの、何も持ってやしないじゃありませんか」
「……ものには程度があってね、零に比べれば一でも、ある部になりますよ」