Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

のぶこ

伸子

宮本 百合子

Lesen Sie 伸子 (のぶこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.543 Zeichen · 466 Bildschirme

Aozora Bunko

そうやって、私の寿命の縮むのを視ているのは、さぞ面白かろうよ」

ああ。ああ。伸子は何と云って自分の内の親愛を云い表してよいか判らず、泣いた。彼女は少女時代から、母とは普通の親娘と違う情熱で結ばれて来た。互に強い愛と憎とを持ちつづけて来た。母は女性として、伸子にとって、ある時は全き母であり、ある時は友達であり、ある時には競争者であった。とにかく、母は伸子に向って、存在のあらゆる角度を、生のまま、強烈に打ちつけて生きて来たのであった。伸子にとっても、母は全力を要する生存の対照であった――自分と母との性格の差を自覚し、生活態度を批判し、一言に云えば、彼女の模型でない一女性としての自分を形造って行くためには、伸子は、生半可の力を費したのではない。普通、娘が母親に抱く懐しさ、休安と、正反対の生活燃焼の、異様な閃光が二人の間にあった。今その門を経て次の生活期に移ろうとする時、伸子の魂を満す、この苦しい、この輝いた、追想の蝟集を、何と母に告げよう。そしてまた、伸子は涙のすきに思うのであった。何と自分たち母娘の愛は並はずれであろう、離れると云えばこのように全力的に傷け合い、はたき合い、つまりはその勢いで離れなければ、離れることも出来ないほど深く愛し合っていると云う有様は。