Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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のぶこ

伸子

宮本 百合子

Lesen Sie 伸子 (のぶこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.543 Zeichen · 466 Bildschirme

Aozora Bunko

「まあ」

と云った。

「だってそうじゃあないの? ねえ――なかなか飛田が放しちゃくれませんわ」

三保のヒステリックなのが誰の目にもついた。彼女は、何かに憑かれたように、白粉を濃くつけた顔の上に眼を光らせて、一人喋った。二人の同伴者があがるまいとした理由や、迷惑そうに坐ってちょいちょい伸子を見たり、三保を見たりしていた理由がわかった。気が変になりかけているのかと、伸子は少し不安を感じた。

「――この頃はずっと御丈夫?」

「いいえ、あなた、ひどい目にあいましてね」

三保は婦人科の病で手術を受け、退院するとすぐこちらに来たのだと云った。

「お父様といると、ね、ほら、どうしたってあなた――」

伸子は、三保の気持がどうかしていて、何を云っても性的なことの方にひきつけるので、黙り込んだ。二人の連れもそれが気遣いらしく、

「――そろそろ失礼しましょうよ」

としきりにすすめた。

「またひるま、ゆっくり上ってお話するとしてね、御隠居様ももうおやすみの時刻でしょうから」

「そうしましょう……伸子さんはいつまでこちらです」

伸子はおとよさんに答えたと同じ返事をした。三保は、

「まあ! あんなことおっしゃって!」