Japanische Klassiker mit Furigana
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のぶこ
伸子
宮本 百合子
Lesen Sie 伸子 (のぶこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.543 Zeichen · 466 Bildschirme
「佃という人にそんなことは解らないよ、――初めっからお前――目的が違うんだもの」
「それならそれでいいのよ、私と生活して何かいいことがあったんなら、私それで満足よ。だから、別々になればどうこうと自棄みたいなことを云ってさえくれなければね。――私自棄ほど嫌いなものはないわ、世の中に自分がそんな外道人間を一人作るのかと思うと、ぞっとして、勇気も何も失ってしまうのよ」
「…………」
かすかに、多計代の起き上るけはいが闇の中でした。伸子は、頭を母の方に向けた。
「なんなの?」
「いいえね、少し涼しすぎるようだから羽根蒲団をかけようかと思って――お前はどう? それでいいかい?」
伸子は、麻の小夜着をかけた胸をたたいた。
「大丈夫よ」
多計代は、
「田舎はこれだけ違うんだねえ」
年よりらしく呟きながら、また寝た様子だったが、いきなり思い出したように声高く云った。
「なあに、どっちみち心配するこたあありゃしないよ」
「なにが?」
「あのひとの云うことさ」
「どういう意味で?」
「だってわかっているじゃあないか。死になんぞする人ではありませんよ。そんな若々しい馬鹿ではないよ」
「――そう高はくくれないわ」