Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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のぶこ

伸子

宮本 百合子

Lesen Sie 伸子 (のぶこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.543 Zeichen · 466 Bildschirme

Aozora Bunko

と、赧くなって笑った。伸子も笑い出した。赧くなった素子の棗形の小麦色のきめの滑らかな顔付に、ひどく稚い純な魅力を感じた。

「――あれ、全くつまらない雑誌ね」

「ええ。金をかけないんだから、とてもいいものはできないんです、つぶした方がいいんだけれど……」

大阪鮨をたべながら、佐保子が云った。

「私ね、そりゃ出不精で不忠実な友人なんだけど、この間ふと吉見さんの家を訪ねたのよ。そしたら、この人は、大きな大きな実に堂々たる机の上に山ほど物をつみ上げて、ほんのこれぽっちの」

両手で、五六寸の幅を拵えた。

「隙間で何かしているんですもの。――滑稽な人ね、あの落着く二階へあんな立派な調度があれば、私だったらそりゃ勉強して見せるわ」

「二階を借りてらっしゃるの?」

「――――」

素子が口を開かない先、佐保子が教えた。

「いいえ、ちゃんと一軒占領しているのよ、自分は二階へ納まって下に夫婦を置いていなさるの」

「いいのね、羨ましいくらいだわ」

「御覧なさい、伸子さんでさえそう云うでしょ。何と弁解したって、いい身分なのですよ」

素子が着物や帯、細々した紐などをある趣味で選び、身につけていることが一目でわかった。