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Japanische Klassiker mit Furigana

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のぶこ

伸子

宮本 百合子

Lesen Sie 伸子 (のぶこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.543 Zeichen · 466 Bildschirme

Aozora Bunko

――あすこでもはあ、これから何じょにして行くか困ったもんだなあ、考えておら昨夜睡れなかったごんだ」

祖母の二番娘、伸子の叔母が須田の細君であったが、地震のとき圧死した。あと総領の女学校を出たばかりの娘が世話を焼いているのであった。

「――仕方ないから、家政婦でも置くのね」

祖母はそれに答えず、楽の茶飲茶碗を両手の間に捧げるように持ち、一口啜り、

「おら、地震この方、たださえ耄碌していたのがなおさら耄碌したごんだ。お静には死なれるし、保科は死ぬし……何しておらのような在り甲斐なしがいつまでも死なないかと思う」

去年の九月、祖母は東京で、目のあたり血をわけた娘や弟の死を経験したのだ。伸子は、哀れに感じて述懐を聞いた。

「そろそろ時候もよくなったから、お祖母さまKでゆっくりしにいらっしたらどう?」

「そうよなあ、見に行かなけりゃ草屋にして置くなあ」

「私近くに行きたいから、一緒にいらっしゃらない?」

意外そうに、祖母は伸子を見た。

「ほんとうか? お前が行くならおらも行きたいごんだ」

「私もいいわ。お祖母さまも、いつがよくて」

「今日でなければ、おらいつでもいいが――」