Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
のぶこ
伸子
宮本 百合子
Lesen Sie 伸子 (のぶこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.543 Zeichen · 466 Bildschirme
――佐々の帰国すべき時が追々近づいて来る。伸子は独りのこるならのこるように身の振り方を決めて置かなければならないことになった。何でもない問題と思っていたのが、さてとなると彼女は容易に決定できなかった。父娘の間に、夜など折々話題に上った。
「私ももう永くてあと一ヵ月いられるかいられないのだが――何か適当な家庭がないもんかね、ちゃんとしたところへ落着いてくれなけりゃ、男の児と違って放っぽり出しても置けんし」
「そうなの。私男の子に生れてた方がよっぽどよかったわ」
「ハッハッハッ。母さんと二人でそう云っていれば世話がない。――……チェットウッドさんのところで世話になるのはいやですか」
「そうねえ……」
チェットウッド博士はC大学の美術部の教授で日本の錦絵などに詳しかった。佐々とは永年の知己なのではあったが――。伸子は、白レイスの肩掛をして、熾に政談を戦わしていた老夫人の険のある世話焼らしい顔つきを思い出した。
「私、閉口しそうだわ」
「ふうむ」
佐々も他に心当りはないらしかった。そして、きまって終りはこうであった。
「英吉利へさえ行ったらなあ、何のことはない、ミセス・レイマンが孫のようにして万事やってくれるんだが。