Japanische Klassiker mit Furigana
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のぶこ
伸子
宮本 百合子
Lesen Sie 伸子 (のぶこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.543 Zeichen · 466 Bildschirme
「それに私行ってよかったわ、今あの人そりゃ素晴らしい研究を始めたところなのよ、でき上ればとても有望らしいけれどなかなかなんですって。だから私が行ったのが大変励ましになったんですって……」
彼女は、やがて艶々した瞳で、撫でるように真正面から伸子を見守りながら、
「どうなの、その後、あなたがたの方は……」
と訊いた。
「…………」
伸子は、苦笑とも極りわるがりともつかない複雑な笑いかたをして頭を曲げた。
「まあ大抵同じことだわ」
「――今日は? 来ていらっしゃるの?」
「今時間で行っているらしいけれど――あああなたお昼一緒に食べましょうよ、三人で――久しぶりだから……ね?」
「ありがとう――だけれど――何時? 今……」
珠子は一寸腕時計を見た。
「今日はそうしていられないわ、これからブレンタノへ行かなけりゃならないから。それより大事なおことづけを頼まれて来たのよ。あなたこの土曜日何かお約束があること?」
珠子が近頃親しくしている横尾、樋口という青年らが、彼女と伸子とをオペラに招きたいというのだそうだ。佃と同じ倶楽部に彼らもいて、折々伸子も口など利いた。
「そうね」
「サムソンとデリラですって――」