Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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のぶこ

伸子

宮本 百合子

Lesen Sie 伸子 (のぶこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.543 Zeichen · 466 Bildschirme

Aozora Bunko

ある時、安川が、

「日本人は実際まだ社会的訓練が足りないから駄目ですよ。こっちの学生達は、自分の好きな人だって友達に意見をきいて選ぶ。――友達が馬鹿にするような男は友人にするのだって愧じますよ」

と云った。安川は非常に外国崇拝であった。それで、時々かえって気持が逆に動く伸子は、その時も、

「どこまでもリパブリックね」

と笑った。

「私はやり方が違うわ、自分が好き、だから好き。それでいいわ」

伸子と佃との恋愛は、それにしても彼女の周囲にある恋愛と比べて、比較にならない独特の暗さと切なさを持っているように思われた。病院へ行った晩、佃は半ば夢中であった伸子に接吻した。伸子はそれを彼の情熱の告白と感じて応えた。彼にはもう再びそれから感情を元に戻すことが不可能になり、伸子にもできず、次第に離れ難く互を思うようになって来たのだが。……恋愛は常にこのように動揺や不安や悲しさの感情を伴うものなのであろうか?

自分が愛し愛される者を得たという確信は、初め、伸子に、たっぷりした精神の落着きと希望とを与えた。佃の方ではそうでなかった。そして、感情の熱が高まるにつれ、彼の絶間のない内心の不安が募って来た。