Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんきだんクラブ
奇談クラブ(全)
野村 胡堂
Lesen Sie 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.139 Zeichen · 208 Bildschirme
で行く、お前もその一人に選ばれたのだ」
「お前もその一人だと言うのか」
「その通り」
「それ程解ったなら、何故お前は逃げない」
「逃げられない、蜘蛛の巣は幾重にも幾重にも俺の身体を包んで、此の道場からは一歩も出られない」
「馬鹿な奴だ」
「馬鹿と言ったな」
「言ったが何うした」
一刀を引き抜き様、サッと横に払うと、武士はヒラリと庭に飛び降りて、
「手向いするなら此処へ出ろ」
「応ッ、行かなくって何うする」
「何をッ」
続いて飛び降りた三十郎、跣足に冷たい芝生を踏んで、二人の刃はチャリンと合います。
斯うなるともう、一匹の雌犬を争う雄犬と雄犬でした。二人は嫉妬に眼がくらんで必死と争いました。朝の道場は森閑として、誰も止め手は無く、深刻な切り合いが、暫らくは続きました。
「己れッ、不埓な奴」
「何をッ、馬鹿奴ッ」
理由も怨みもあるわけではありません。今まで梅仙女の愛を壟断して居た武士から言えば、闖入者に対する許し難き敵意、一夜の歓楽に、悪魔的な淫蕩さが骨まで沁み込んだ三十郎にしては、自分の眼の前に出しゃ張った邪魔物に対する敵意、二人は刃がサラサラになるほど斬り合いましたが、業が匹敵して居る為か、容易に勝負が付きません。