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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんきだんクラブ

奇談クラブ(全)

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.139 Zeichen · 208 Bildschirme

Aozora Bunko

幸い往来で読み捨ての新聞を拾って、新しい事は大概知って居たのと葉山夫人が調子を合せて、巧みに話題を進行さしてくれたので、どうやら斯うやら、大した馬脚を現さずに済んだようなものです。

やがて食堂が開かれました。主人席に着いた私は、今日まで三日あまり、ろくな芋の尻尾にもあり付かなかったのですから、胃の腑が飛び出して、いきなり皿へ噛み付きそうになるのを、どんなに大骨折で辛抱したことでしょう。

料理の美しさ、酒のうまさ、私は久し振りのせいもあったでしょうが、頬ぺたが落っこちるのではないかと思いました。食事の間に咲いて行く話題は、因果と私には一番苦手な音楽談で、近頃来たダルモンテや、シゲッテイと言った音楽家の噂などには、全く閉口して、

「秀麿さんは、あれをお聴きでしたか、――よかったですね」

音楽好きらしい梅谷青年の口を、両掌で塞いでやり度いような、手の付けようの無い焦躁を感じたりしました。

それに劣らず弱ったのは、金井半四郎のリーグ戦の話です。

「早慶第二回戦は何うでしょう、あの時僕は、友達と賭けたんですが……」

と言った話も全く私を手古摺らせました。

食事が済んで、喫煙室へ入って、薫さんの弾くピアノの音を隣りに聴いて、贅沢な葉巻の口を切った時、私は全く救われたような心持になりました。