Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんきだんクラブ

奇談クラブ(全)

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.139 Zeichen · 208 Bildschirme

Aozora Bunko

「…………」心得顔にニヤリニヤリと切り出します。

「金之丞も借金で困って居るが、お金を手離すと興行が出来なくなるから、少し高いかも知れぬが三百両出せと言うんだ」

「えッ」

あまりの事に左馬之助も驚きました。天保年間というと、金の値は大分下って居りますが、それでも三百両と言うと今の五、六千円、通用価値から言えば、二、三万円にも匹敵します。

「驚くのも無理は無い――。大籬のお職を張って居る玉だって、此の節はそんな値は無いさ、併しあの女はそれだけの値打があるよ」

「…………」百五十石取りの南条家に、三百両と言うとかなりの大金です。これだけの金を拵える為には、質素な武家は二代も三代もかかったもの、鎧櫃の中の百両、手文庫の中の百両、知合に用立てた五十両、亡くなった母の臍くりが三十両――と、左馬之助は腹の中で指を折って居ります。

「内福で聞えた南条家の当主が、それんばかりの端た金で驚くのは見っともよくないよ、どうする積りだ」

「うむ、宜しく頼む」

「思い定めたか、流石は南条左馬之助だ、あれ位の女を手に入れると、殿様を見返すことが出来るというものだ、善は急げ、早速行って来るぞ」