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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんきだんクラブ

奇談クラブ(全)

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.139 Zeichen · 208 Bildschirme

Aozora Bunko

「あッ、それを知って居るのですか」

「エエ」

女はもう一度ニッコリ首をかしげます。

何んと言うことでしょう。私はすっかり面くらって、何が何やら解らなくなってしまいました。

「電灯を消しましょうか」

暫らく経って礼子は、斯んな事を言い出します。

「エ?」

「斯うして居るところを、外から見られると極りが悪いでしょう」

両の袂を重ねて、私の顔を下から覗くように、少し甘えた口調になります。

「何処から見えるもんですか。此処より高い建物は、あんなに離れて居る丸ビルより外には無いんです。飛行機で見下せば別だが――」

電灯を消して、この素晴らしい美しさを、元の覚束ない月の光で見るのが、私には物足らなかったのです。

「でも――」

礼子はそう言って立ち上りました。少し高い背が、舞姫のような美しいポーズになると、右の腕が美しい曲線を描いて上に延びて、たった一つの電灯をパチンと消されて了いました。あとは塗り込めたような闇、朧月も雲に隠れて、馴れない眼には、本当に黒白も判らない位――、熱帯植物の刺戟的な香気と、若い女の悩ましい体臭が、異常な交錯をして、私の身体を押し包みます。

「何んて暗いんでしょう。