Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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むすめえんじゅつし

娘煙術師

国枝 史郎

Lesen Sie 娘煙術師 (むすめえんじゅつし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 267.766 Zeichen · 530 Bildschirme

Aozora Bunko

……おやまた少しばかり喋舌りすぎた。今度こそお別れといたしましょう。ご免ください、ご免ください。――とこういえばよいのですが、ナーニまだまだ喋舌りますよ」

こうベラベラとまくし立てながらも、代官松は眼をそばめて、紋也の顔をみつめるのであった。月の光にぼけてはいたが、紋也の顔はよく見える。まくし立てる言葉の一つ一つによって、どのように紋也が表情を変えるか? それをどうやら代官松は見て取ろうとしているようであった。しかし紋也の表情は、木彫りの面のそれのように、微動をさえもしなかった。ただし右の手はしっかりと、刀の柄にかかっていた。

茫然としているというよりも、呆気に取られているといったほうがこの場合の左内の態度にはまる。

「この目明しの松吉という男は、何をいったい喋舌っているのだ。わけのわからないことばかりをいうではないか。俺にはわけがわからない。それに平常の松吉といえば、こうもよく喋舌る男ではなかった。今夜はよほどどうかしている」これが左内の心持ちであった。が、そういう心持ちを、ひっくり返すような出来事が、俄然とばかり起こったのは、毒々しい口調で代官松がこういいかけた瞬間であった――「どだい京師の青公卿ばらが、自分たちの力量を計ろうともせずに、この治まっている徳川様の天下を……あッ、しまった! き、切る気か