Japanische Klassiker mit Furigana
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むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
Lesen Sie 娘煙術師 (むすめえんじゅつし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 267.766 Zeichen · 530 Bildschirme
「おびただしくも酔いにけり――酔うということはよいことさ、芸に酔い術に酔う。いつもいつも醒めている奴は冥利や金ばかりにかじりつく。ハッハッハ、陶然と酔えよ」今度は無邪気に酔眼をあけて、体のまわりを眺めやった。と、足もとに芍薬の花が十数本の青い茎の上に、群れて白々と咲いていた。微風が渡っているからでもあろう、花の群れが頭を振っている。
「芳香が高くて純潔で、雑気のない白芍薬の花よ! 俺はお前が大好きだよ。その根が人助けの薬になる。何から何までもいい花さ」――だが嘉門は先へ進んだ。
※(歌記号、1-3-28)柳の下のおちご様は、朝日にむこうてお色が黒い……
小舞物の古雅な「柳の下」を微吟しながら歩いて行く。
※(歌記号、1-3-28)お色が黒くば笠を召せ……
蹣跚として歩いて行く。と、またもや左のほうへ、ヒョロヒョロヒョロヒョロとよろめいた。
「どっこい」というと同じように、嘉門は足を踏み固めて、そうして両膝へ両の拳をついたが、あやうく転ぶのをまぬがれたのである。と、ヒョイと前を見た。牡丹桜の老木が立っていた。すでに季節は過ぎていたので、枝にも梢にも一面に、花はなくて新葉が萌え出ていた。