Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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むすめえんじゅつし

娘煙術師

国枝 史郎

Lesen Sie 娘煙術師 (むすめえんじゅつし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 267.766 Zeichen · 530 Bildschirme

Aozora Bunko

が、ご子息の左内様は、それに反して潔白のご気象、……で、交りを結んでおるばかりで」

「ナーニそうではござるまい」兵馬は狡猾な笑い方をしたが、「取り入ろうと思っていられるのでござろう」

「誰にな?」と紋也は不審そうにした。

と、兵馬はどうしたものか、話を横にそらしたが、不意にこんなことをいい出した。

「ここの主人の嘉門殿には、美しい娘がいられるはずで」

――おやおや妙なことをいい出したぞ――紋也は見当を失ったが、

「いかにもござる、お菊殿と申す、それがなんとかいたしましたかな?」

――と、また兵馬はニヤリニヤリとしたが、

「駄目でござるよ、駄目でござるよ」

いよいよ紋也にはわからなくなった。で黙ってみつめやった。そういう山県紋也のようすが、兵馬にはおかしく思われたのであろう、例によって、唇をまくり上げて、犬歯を出して笑ったが、

「いけないいけない、取り持ってはいけない!」

しかしどうにもこの言葉も紋也には意味がわからなかった。で、黙然とみつめている。

「というわけはこういうわけで」兵馬は紋也のようすが、ますますおかしく思われるのであろう、嵩にかかった能弁で、まくし立てるように喋舌り出した。