Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
Lesen Sie 娘煙術師 (むすめえんじゅつし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 267.766 Zeichen · 530 Bildschirme
深夜というのでなかったけれども、道の両側の家々では、雨戸を引いて静まっていた。月光ばかりが道や屋根を照らして、霜のような色を見せている。
と、もう一人の男がいった。「だが佐久間町の屋敷には、何者が籠っているのだろうな」
「さあそいつはわからない。親分が何ともいわないんだからな」こういったのは友吉であった。
「俺らの役目は楽なものさ。あの屋敷を厳重に見守っている。そうして人数が出るようだったら、急いで走って行って親分に知らせる――というだけのことなんだからな」
「それじゃ何かい、あの屋敷には大勢の侍でもいるのかい」四人の中の一人であった。
「親分が何ともいわなかったから俺らにはどうなのかわかりゃアしないよ。……でも親分はこんなことはいった。幾人かの大名や旗本衆が、あの屋敷の老人を助けているとな」
「老人?」と一人が怪訝そうに、「老人なんかがいるのかい?」
「死んだ老人だということだ。去年伊豆の三宅島でな。……痛いなあ、ズキズキすらあ」また友吉は横面をおさえた。
「大きな鯨だともいわれていたっけ」
「死んだ年寄りの鯨なのかい?」
「じゃア人間じゃアないのだな」二人の男が笑いながら訊いた。