Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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むすめえんじゅつし

娘煙術師

国枝 史郎

Lesen Sie 娘煙術師 (むすめえんじゅつし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 267.766 Zeichen · 530 Bildschirme

Aozora Bunko

「はてな、さては人違いではないのか! 俺たちを打ち取ろうとしているのか? ――とするとこやつらは何者であろう?」それは紋也にはわからなかったとはいえ紋也はこう思った。「俺たちには敵があるはずだ。それも無数にあるはずだ。代官松の一味から桃ノ井兵馬の一味から。……佐幕方の奴らは一人残らず敵だ! ……こやつらはその中のどれかなのであろう」――紋也には躊躇できなかった。決心をして刀を引っこ抜くと、やにわに一人を叩き切って、それに怯えて後へ退く、敵方の隙をうかがって、脇差しのほうを素早く抜くと、ついて来たお粂の手へ渡した。

「お粂殿、拙者へついてござれ!」――で、まっしぐらに突き進んだ周囲を群衆が走って行く、火の舌がなぐれて襲って来る。ドーッと火柱が燃え落ちて来た。そういう境地を突破して、一つの十字路まで走って来た。と、その三方に人数を分けて、脇差しや棍棒や匕首を握った敵らしい人影が十数人もいた。で紋也とお粂との二人は、敵のいない一方の露路をめざして、疾風のように突ッ走った。するとまたもや交叉点へ出たが、そこにも敵が待ちかまえていた。ただし一方の露路だけには、敵の姿は見えなかった。