Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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むすめえんじゅつし

娘煙術師

国枝 史郎

Lesen Sie 娘煙術師 (むすめえんじゅつし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 267.766 Zeichen · 530 Bildschirme

Aozora Bunko

……」

で紋也はせわしそうに、お粂のほうへ眼を走らせたが、「ごらんの通りのありさまでござる。敵は代官松の一味の由で、目的は我々を害そうとの事で、容易ならぬ危難にござります。ついては何よりの手段として、一刻も早くこの境地から離れ市中へはいることにいたしましょう。拙者の後よりついてござれ! 拙者血路をひらきましょう! 一ツ目橋のほうへ! 一ツ目橋のほうへ!」それから四方へ眼をやったが、

「庄田氏はおらぬか! 菰田氏はおらぬか!」すると二人の声が聞こえた。

「庄田でござります! ここにおります!」

「菰田でござります! ここにおります!」

見れば二人の内門弟は、血ぬられた刀を引きそばめ、乱れた鬢髪に崩れた衣裳で、代官松らの背後のあたりに、平めかした姿勢で立っていた。指揮さえ下したなら一議にも及ばず、斬って入ろうの構えであった。

「こんな奴とは問答は無益だ」このように思ったがためであろう、代官松の挑戦の言葉へ、紋也は返辞を投げつけようともせず「やれ!」と叫ぶと自分自身、血刀を揮って突き進んだ。「まず金兵衛殿を助け出せ!」

髪は乱れて頸に垂れ簪は脱けて散乱し、紅い掛け布はよれよれとなり、襟をはだけて、返り血を浴びた――そのために凄愴の美を加えた、肉付きのよい胸を現わし、赤い手甲の両の手に脇差しをしっかりと握ったお粂が、すぐ