Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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むすめえんじゅつし

娘煙術師

国枝 史郎

Lesen Sie 娘煙術師 (むすめえんじゅつし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 267.766 Zeichen · 530 Bildschirme

Aozora Bunko

女の腰を想わせるような、ねばっこい細いきゃしゃな腰が、それにつれて軟らかくうねったので、爬虫類でもうごめいたように見えた。

「彼らは一度で抛り出されるのだ。死骸のようにグダグダにされて、裏木戸から外へ抛り出されるのだ。が、彼らも一生涯、そのことは忘れられまい。そのため癈人になるだろう。とはいえ毎夜見聞きしなければならない、俺たちよりは幸福だろう」

間! またも静かになった。しかし隣り部屋から女の声が聞こえた。

「誰よりもお前が気に入ったよ」

どうやらこういった女の声は、若い美貌の武士たちを、驚きと絶望とへ陥入れたらしい。四人一度に寄り添ってしまった。でおのずから四人の姿は、燭台の燈火を中央にして、一種の円陣を形作った。眉毛の濃い武士の切れの長い眼は、いつもの倍ほどに見ひらかれているし、富士型の額を持った武士の、鬢の後れ毛は顫えているし、端麗な鼻をした武士の頬は、いちじるしく痙攣を起こしているし、薄手の受け口めいた唇の武士は、ガチガチと奥歯を噛むようにした。と、富士型をした額を持った武士が、にわかにヨロヨロと立ち上がった。すると、腰から裾へかけて、燭台の燈火がからみついて、裾から出ている足の革足袋の、紫色を藤色に染めた。