Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
Lesen Sie 娘煙術師 (むすめえんじゅつし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 267.766 Zeichen · 530 Bildschirme
「ある日私は道に迷って、谷深くはいってゆきました。するとどうでしょう木の香の新しい、幾棟かの家々が建っていて、武士たちがおるではありませんか。講義をしている声もすれば、武芸を習っている音もすれば、何か機械でも造っているらしい、つちの音などもいたしました。で私は驚いて、急いで横へそれましたところ、一軒の家から神々しいような、長身の老人が出て来られまして、川のほうへ歩いてゆきました。引きつけられたとでもいうのでしょう。歩いてゆく老人の後へついて、私も歩いてゆきました。と、天龍の岸へ出ました。私はそこで胆をつぶしました。四方山のような岩にかこまれ、一方だけに口をあけた、二町四方もあるであろうか――そんなにも広い平らの土地に、ひもうせんとでもいいましょうか、深紅の敷き物が敷いてあったからです。で、私はすくんでしまいました。そのまに老人はひもうせんの上を、先に歩いてゆきました。ところがどうにも不思議なのは、ひもうせんが老人の歩くにつれて、左右へユラユラと揺れるばかりでなく、その老人の腰から下を、見えないように隠すのです。で、私はよくよく見ました。なんと意外ではありませんか、ひもうせんだと思っていたのは、深紅のぼたんの花だったのです。