Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
Lesen Sie 娘煙術師 (むすめえんじゅつし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 267.766 Zeichen · 530 Bildschirme
と、その時二人の浪人が、千代古屋の門をくぐったが、そのみすぼらしい風さいから、どうやら帳場から断わられたらしい。が、二人の浪人は、そのようなことには慣れていると見えて、番頭と押し問答をしたあげくに、ズカズカと奥へ通って行った。
「はい千代古屋でございます。お泊まりなさいまし、お泊まりなさいまし」――留女は門口でなおも呼んだ。と、その声に引かれたかのように、前後して二組の男女の旅人が、千代古屋の門の土間へはいった。一組は紋也と鈴江であり、一組はお粂と金兵衛とであった。が、一足違ったためか、双方とも心づかなかった。別れ別れて別々の部屋へ、案内されて通ったのである。
「お泊まりなさいまし、お泊まりなさいまし」
なおも留女は門口で呼んだ。
「お妻太夫さんの見世物を見に、お島さん行って見たいねえ」
「こっそりごまかして見にゆこうか」
留女たちは客を招く合間に、こんな話を話し合っていたが、この大津の駅路のはずれの、水無神社の境内に、事実この時お妻太夫の一座が、見世物の小屋をかけていた。――が、千代古屋の奥の部屋の、出来事について語ることとしよう。
「兵馬氏、飯を持って来ぬの」