Japanische Klassiker mit Furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Lesen Sie 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) von 小出 楢重 (こいでならしげ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.351 Zeichen · 657 Bildschirme
、発明にいたるまで何に限らず一応はやってみせるという風の人物はかなり多いものであります。
何でもちょっとはやれるということが大変便利であるところから、その近所両隣や町内では、しごく重宝がられます。例えば初午の行燈へちょっと何か描け、浄瑠璃の会をやるからビラ一つ書いてんか、ちょっと万さん雨の漏り止めてんか、ちょっと自転車の空気入れてくれ、アンテナ張ってくれ、鼠を捕えてくれ、余興に出てくれといった風の雑件をどしどし持ち込みます。万さんもこちらが忙しいのでこれが本職かと思い出し、自分の家のことはさておき、町内を走り廻るという、妙なことになったりするのであります。
ところが本当の看板屋、本当のラジオ屋、本当の大工、本当の絵描き、本当の自転車屋ではありませんから、その手間賃を誰一人として支払うものがありません。結局、万さんはよい人やという結論が町内へ行渡ってしまうだけであります。よほどの親譲りの財産でもない限り、万さんは貧乏せざるを得ません。私はまったく万さんを気の毒に思うのであります。同時にただ使っておきながらええ人やといっている町内の嬶などいうものは随分狡猾なものだと私は常に思うているのです。