Japanische Klassiker mit Furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Lesen Sie 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) von 小出 楢重 (こいでならしげ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.351 Zeichen · 657 Bildschirme
私達の如く油絵という殺風景な仕事をするものでさえも時には招かれることがある。
ところで酒でも飲めればまず旦那のお相手ともなり、芸者とともに暫時を稼ぐことも出来るわけかも知れないが、不幸にして僧帽弁に穴のあるものにとっては歓楽どころの騒ぎではないのだ。
左様に勤まり難いことが初めから判っているものならば、初めに謝絶すればよいのだが、何かその明るい世界には、何かまた変った幸福らしいものが落ちてでもいそうなさもしい心も出るので、ついうっかりと来てしまうことも多いのだ。
しかしながらまず初めのうちは芸者も、旦那も、Lも、Mも、Nも、OPQも、皆正気だから私の話は向こうへ通じるし、向こうの話も了解出来るのでまずこれなら何とか辛抱も出来るのかと思っていると、やがて、L、M、N、O、P、Q、旦那、芸者は勝手にアルコールの世界へ転居してしまうのだ。
すると正気の間は多少、商売上、丁寧であった芸者の言葉が妙に荒々しくなってくる。なんや、あんたな、鬱陶しい顔せんと、早ようガッとあけなはれという。旦那はんは、こらおやじなどいわれている。
何だかもう、これからさきは叱られに来ているような具合で、正気なるものは忍従か逃げ出すかより他に途はないことになってしまう。