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Japanische Klassiker mit Furigana

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ならしげざっぴつ

小出楢重随筆集

小出 楢重

Lesen Sie 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) von 小出 楢重 (こいでならしげ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.351 Zeichen · 657 Bildschirme

Aozora Bunko

この頃は、また殆ど絵に熱中しているものですが、以前俳人であっただけに何でも気分を味わったり、吸うたりするのが一番好きらしいのです。それでいて、いつもふさいだ顔つきをしています。それは、大切の子供をなくしてからだろうといいます。そうかもしれません、気の毒なのです。

一年程以前には洋画の材料屋の気分を味わうために、いい場所にちょっと気の利いた家を借りました。開業宣伝のため階上階下に院展の人達の小品を陳列しましたので行ってみますと、下も二階もシンと静まり返っています。これはまた閑寂な展覧会だと思って、二つ三つ絵を眺めていますと、二階から女の笑い声がドッと聞こえて来ました。オヤ、と思って二階へ駆上ってみますと、T君は場所柄だけに遊廓も近いので、馴染みであった美人四、五名を招待して絵を見せているところです。T君、その中に収まって、展覧会の気分をあくまで吸っているのでした。なかなか立派に出来ましたな、というと、ええあまり入場者もやって来まへんさかい、かえって静かに観賞が出来てよろしゅうおます。なア、思うたよりエエ展覧会やろがな、と芸者達の賛同を求めますと、いつもベストコダックでも提げて歩いているという新しいのが、ほんまにエエ気分だんな、と賞賛しました。