Japanische Klassiker mit Furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Lesen Sie 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) von 小出 楢重 (こいでならしげ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.351 Zeichen · 657 Bildschirme
要するに乞食性だといえばいえる。
衣類、持ちものにしても、私の好みの日本服、好みの洋服、好みの外套、好みの帽子、好みの宝石、好みの時計、好みの自動車といいかけると限りなく私の注文は心の奥に控えている。
だがしかし、私は万事を自分の心のままに出来得ないものならば、最早や何一つとして注文して見る必要はないと考えている。だから、手当り次第の勝手気ままの不統一で通す事にしている。一度パリで買って私の気に入ったパンタロンは、よそ行きも常も婚礼も朝から晩まで着通して、今なお着用しているがさすがに、縞が磨滅して来た。惜しいものである。
終日、洋服で通すという不粋な事は私だって本当は好きだといえないが、私は洋服を意地からでも着て暮す。
勿論、私の今の家には座るべき座敷がないのだから、和服では裾が寒くて堪らない上に、私のやせぎすは、腹が内側へ凹んでいるために、日に幾度ともなく、帯を締め直す煩に堪えない事もあるのである。
私がもし、急に明日から金閣寺で暮すという身分にでもなったとしたら、私は直ちにパンタロンは紙屑屋へ売飛ばして衣冠束帯で身を固めるであろう。
先ず花の下には花の下の味があり、鉄管の中にはまた格別の世界があるのに違いない。