Japanische Klassiker mit Furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Lesen Sie 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) von 小出 楢重 (こいでならしげ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.351 Zeichen · 657 Bildschirme
二科会で油絵が一枚買いたいと思うから案内してくれというのである。
少しでもよい絵を撰択してやることは職責上当然のことでもあると思ったから早速承諾した。
それから二人で会場をうろついていろいろの絵について私はいろいろと説明した。ところで私が弁士の如くさんざん重たい口から説明してしまってああ草臥れたと思った時分に友人がいうのに、いくら君が説明してくれても、自分にわからない絵を買って客間へ懸けておくことは不安で堪らない。客間へ通る皆さんが口を揃えて立派な絵です、よい出来です、よいお買物をなさった、といって賞めてさえくれればまあよかったと安心も出来るが、来る者来る者皆その絵を見て変な顔をすると随分心細いという。
なるほど実業家の客間へ毎日何人かの美術家が訪問するわけではないのだからあるいはそうかも知れないし、また日に五、六人も詰めかけられては、かなりうるさいことだろうし、また美術家というものはたまにやってきてもあまり他人の作品を賞めない傾向もあるものだから、無理もないことかも知れない。
他人に問うても自分にもわからないものを懸けて心配しているよりは、自分にわかるものを買って安心している方が安心であるというのである。