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Japanische Klassiker mit Furigana

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ならしげざっぴつ

小出楢重随筆集

小出 楢重

Lesen Sie 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) von 小出 楢重 (こいでならしげ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.351 Zeichen · 657 Bildschirme

Aozora Bunko

ある時、一本歯の九里丸は躓いて彼は倒れた。金らんの帽子はそのはずみで飛んでしまい、つるつるの禿頭が私の前へ転がったものだ。私は、それ以来九里丸の頭が少し怖ろしくなって、つい、いも助の方へ、なるべく賛助して歩くようになってしまった。そして同じ口上を幾度でも暗記するまで、ついてあるいた。そして彼の柔かに動く頸と、細い目を観賞しながら。

とこう書いていると、いくらでも記憶は蘇生する。ともかくも、かかるすべてのものは悉く下手の味あるものばかりである。一つとして、高尚、高貴、上品なものはない。夜店のたべもの、夜店の発明品だ。香具師がいう如く、あっちにもこっちにもあるというありふれた品物ではない。買って帰るとすぐつぶれるという品でもないといっているが、即ちその品こそ持って帰るとすぐつぶれてしまう処のものであるのだ。

しかしその、変色し、つぶれる、安い処に、愛嬌と物悲しさを含んでいる。そして下手ものは安く仕上げる必要から勢い手数を極度に省く、その事が偶然にもまた、芸術の方則に合致する事があり、適当な省略法が加えられるのでその結果、高貴なるものの複雑にして鈍きものよりも、単純にして人の心を強く動かすだけの力を偶然にも備えるものである。