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Japanische Klassiker mit Furigana

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ならしげざっぴつ

小出楢重随筆集

小出 楢重

Lesen Sie 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) von 小出 楢重 (こいでならしげ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.351 Zeichen · 657 Bildschirme

Aozora Bunko

だが日本の仲秋の月でさえも、今に天の定紋となってころがる時が来るだろう。

甘酒とあめ湯は旧日本の珈琲でありココアでもあったが、今は奈良公園の夏の夜の散歩において、猿沢池の附近ではまだ飲む事が出来る位のもので、大体都会ではコールコーヒーとアイスクリームだ。

さてあめ湯とコーヒーと、どちらがうまいかを考えて見るに、どうもコーヒーの方がうまいとはいえない。だがあめ湯が飲みたいといえば女学生でさえ笑って、理由も何も聞いてはくれないであろう。

先ず横町のカフェーの珈琲というものは大体において何かの煎じ汁へ砂糖を入れただけのものの如く、でもそれを飲む事が人間の運命となりつつあるようである。田舎の宿屋へ到着した時、多少ハイカラな構えの家では先ず第一に珈琲糖をうやうやしく捧げてくる。褐色の粉末が湯の底に沈んでいる。

私はやむをえず近頃は、日本のお茶という言葉を使って遠慮なく註文する事にしている。

私は暑中でも氷やアイスクリームを食べ、冷たいコーヒーを飲む事を好まない。私は汗を忍耐しながらも熱い珈琲を、熱い茶を飲む、かくして汗を以て汗を洗う。唐突に氷を以て、冷水のタオルを以て汗を引込める策略は、汗を変じて重油と化するおそれがある。