Japanische Klassiker mit Furigana
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こざくらひめものがたり
小桜姫物語
浅野 和三郎
Lesen Sie 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) von 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.097 Zeichen · 267 Bildschirme
私の過失で大切の若様を死なせて了っては、ドーあってもこの世に生き永らえて居られませぬ。たとえ私の生命を縮めましても若様を生かしていただきます。小供の時分から信心して居る私でございます、今度ばかりは是非私の願いをお聴き入れ下さいませ……。』
私の方でも心から気の毒に思いましたから、時を移さず一生懸命になって神様に命乞いの祈願をかけましたが、何分にも相当手遅れになって居りますので、神界から、一応は駄目であるとのお告でございました。しかし人間の至誠と申すものは、斯うした場合に大した働きをするものらしく、くしびな神の力が私から娘に、娘から小供へと一道の光となって注ぎかけ、とうとう死んだ筈の小供の生命がとりとめられたのでございました。全く人間はまごころ一つが肝要で、一心不乱になりますと、躯の内部から何やら一種の霊気と申すようなものが出て、普通ではとてもできない不思議な仕事をするらしいのでございます。
兎に角死んだ筈の小供が生き返ったのを見た時は私自身も心から嬉しうございました。まして当人はよほど有難かったらしく、早速さまざまのお供物を携えてお礼にまいったばかりでなく、その後も終生私の許へ参拝を欠かさないのでした。