Japanische Klassiker mit Furigana
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やまをおもう
山を思う
石川 欣一
Lesen Sie 山を思う (やまをおもう) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.814 Zeichen · 157 Bildschirme
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ドイツとチェッコスロヴァキアの国境をなすリーゼンゲビルゲに行ったのも、思えば昔のことである。八月だか九月だか、よく憶えていないが、相当に寒く、山頂で雹にでくわしたことから考えると、八月ならば終りに近く、あるいは、あれも九月の今頃だったかも知れない。快晴の樅の森を登って行くと、霧がまいて来た。登ったのにリーゼンゲビルゲ(巨人山脈)中のシュネーコップフ(雪頭山)である。もう頂上も近かろうと思われる頃、横なぐりの風が霧と一緒に雹を吹きつけて来たのである。「頭」を以て呼ばれる山だけあって頂上は平な草原で、別に国境監視兵がいるとは思えなかった。
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この年の春、私は碌にドイツ語も出来ぬのに、たった一人で南ドイツの旅をした。ガーミッシュパルテンキルヘンでは林檎の花盛り。ツーグスピッツェの氷河はつめたく岩は黒かった。もともとこの山に登ろうとして出かけたのだが、伯林で買った登山靴に足をやられ、やとった案内者まで解雇せざるを得ず、まことに残念だったが、却ってその方がよかったかも知れない。というのは、私はパルテンキルヘンの靴屋がつくった丈夫な半靴を一足買い、山麓を歩き廻ったからである。