Japanische Klassiker mit Furigana
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くうきぽんぷ
新美南吉童話集 2 おじいさんのランプ
Lesen Sie 新美南吉童話集 2 おじいさんのランプ (くうきぽんぷ) von Niimi Nankichi (新美 南吉) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 41.209 Zeichen · 85 Bildschirme
お腹がいたいなら明日になればなおるでしょう。三河にもらわれていったって、いつかまた帰ってくることもあるでしょう。しかしおとなの世界にはいった人がもう子どもの世界に帰ってくることはないのです。
安雄さんは遠くにいきはしません。同じ村の、じき近くにいます。しかし、きょうから、安雄さんと小さい太郎はべつの世界にいるのです。いっしょに遊ぶことはないのです。
もう、ここにはなんにものぞみがのこされていませんでした。小さい太郎の胸には悲しみが空のようにひろくふかくうつろにひろがりました。
ある悲しみはなくことができます。ないて消すことができます。
しかしある悲しみはなくことができません。ないたって、どうしたって消すことはできないのです。いま、小さい太郎の胸にひろがった悲しみはなくことのできない悲しみでした。
そこで小さい太郎は、西の山の上に一つきり、ぽかんとある、ふちの赤い雲を、まぶしいものをみるように、眉をすこししかめながら長いあいだみているだけでした。かぶと虫がいつか指からすりぬけて、にげてしまったのにも気づかないで――