Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.193 Zeichen · 131 Bildschirme
ばあさんは、五十を一寸出た位。大柄なじじむさい、平顔の、東京弁を使う女だ。快活ではあるらしいが、ヘンペックで、相当慾張って居そう。大きい、左右の口尻の下った口に、或感じがある。先ずよし。
十日。
昼頃やっと荷物が一柳に行く。午後二時すぎ俥で、町まで、細々した買物に出かけて見、路の悪いのに驚いた。荷車の重いのを引かせた労も思いやられる。妙に曲りくねった路を行くので何処をどう行ったのかは分らないが、なかなかハイカラーな食品店や花屋、呉服店等がある。賑やかな町並は、一寸、千駄ヶ谷辺の大通りと云った感じ。都会風と、田舎の素朴さが、どこかで入り混って居るのだ。
垣を多く、細い竹の茎のようなもので作ってあるのは、軽く、柔らかで非常に感じよろし。借りる部屋の出窓に面したところにすぐ垣があるが、木塀や建仁寺でなく、やはり薄黄色くポカポカした竹の、或は笹の垣なので、目ざわりでないのだ。
荷をほどくことや何かを手伝って貰い、川島の善良な性格を感じた。始め一言二言きいたのでは、母上の愛される所謂明快さ、に欠けて居たが。俥夫と云うようなことを忘れて考えられる丈、感じられる丈、自由に落付いた処がある。