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Japanische Klassiker mit Furigana

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にっき

日記

宮本 百合子

Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.193 Zeichen · 131 Bildschirme

Aozora Bunko

正直に、根本の衝突として他人も自分も認めず、考究し得ない精神力の薄弱さがあるのである。

女性の場合など、特に此が多い。弱い、実力の欠けた者の本能で、何が最も安全な方法か、直覚して仕舞う。人間は、境遇の許す限り、平和と幸福を希う本性を持って居る。貞淑、自己犠牲、すべては賞むべき善行とされて居る。見えない心の深で、白いデリケートな指先が総計の和から差引きをし、ある美を壊さない程度の諦めでほんのりぼかして指をさされない一生を送る。賢い女性の大多数がそうであるように思う。

自分は、どうかして、そう云う機械的道徳律で縛られない生活がしたい。今日の所謂善、悪は、しんに入った箇性の運命から見れば、無に等しく、はびこらせると、調帯の働きを持つのが落ちだ。――車輪自身の動力はなく、道徳と云う便宜上の調帯にかかって、帯の力でさも意味あり気に動かされ、社会生活を滑って行く。楽なことを云えば、一番楽だ。善行をして居ると云われ乍ら、自分は無にし、人間の形と、生活上の約束を心得た一つの生物の生存を続けるにすぎない。

自分はいやだ、創造と新鮮さのない生活は堪らない。願いは、どうか自分がもっと偉い心の所持者になれ、そう云うさもしい便宜に捕われず生きて行かれますように、と云うことばかりである。