Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にっき

日記

宮本 百合子

Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.193 Zeichen · 131 Bildschirme

Aozora Bunko

自分の生活の基調は、非常に感性的傾向を持って居る。野上さんのは理性だ。故に、実生活の細目に対する心持が異う。彼女は、カントの通り、日々の生活は出来る丈単純に、而も頭の裡は出来る丈豊饒に暮したいと言明し、夜は七時すぎに眠り、朝は四時半に起床、午後四時頃まで、一度の談笑もなしですごす。それを単調と感じず、苦しいと思わない。何故なら、左様面白い話がいつも有るものではないのは判って居るし、如何うせ、下らないと云うことがすっかり判って居るから。好奇心に負けると云うことがないのである。社会の習慣制度の改善と云うことに就ても、彼女には光り輝き、然し実現は出来ないと云う夢想に追い出されることはないのだ。一家族の力などが、全社会に及ぼし得る力量をちゃんと知り、結局効果のない努力で一生を無にするよりは、学問なら学問の研究で、自ら、四周の改善の来る時を待とうと云う意識がある。一方から見、退嬰的と云われるのは主として此点にある。

此に反し、自分は、本能の直覚で押し通す。幸福に充実して生活したいと云う激しい人間的欲求が、四周の事物に障害される感じに堪えず、何処までもそれを打ち破って自己の要求するものを掴得せずには置かないと云う熱情がある。