Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.193 Zeichen · 131 Bildschirme
どこかに、自分の生命を集注しずには居られないほど強い生命、生活力を持たないと云うことになるのではないだろうか。
憐れな人と感じる。而も憐れと感じ切れない我意、が強く彼を占めて居る。
私は、地平線に、静かに盛上って来る暗黒の一点を見守って居るようだ。
夏、烈しい日が照り、草いきれがし、風もない。静かに湧出して来た黒雲は、烈しい雷雨をしらせる。雲が日を覆いつくす迄、羽虫は、羽根の音をせわしく、彼方此方を飛び廻れるだろう。
○
「貧しき人々の群」を書いた後、自分は偶像的に、母、父に愛敬された。恐ろしい天才か何かのように買いかぶられ、世の中の人々に対して、私を特に引き立て守り示す態度があった。
それを自分は感謝しもすると同時に、苦しく感じた。丁度、見せものの花形のように、人気や、見栄やで、窮屈に自分の生活を縛られて居る感じがした。その意識は、次第に強くなった。同時に反動的な性質を帯びた。
無理やり妙な高い処へ上げられて、さらされて、注目されて居るに堪えないで、隙があったら、一散に、地面の上まで飛び下りたい。人々に混って、往来を歩いて見たい――注目されることなどはまるでない平の人間になり度い衝動が非常に強くなったのであった。