Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
広い磧は土手よりも一段低く、昔のように栃の大木の根元から、小径を伝わって降りるようになっています。
「どこまで行くんけえ、何の用があるんけゃ?」
と不審そうに、兄は懐手をしたまま跟いて来ましたが、私がその辺に立ちどまると、兄も足を止めました。
「この辺も、昔とちっとも変るまあが?」
「兄さん、少し俺には、腑に落ちんことがあるのだが……」
と私は、切り出しました。
「こないだ兄さんは、俺に……俺と亮三郎に財産を分けてやるといったね? あれは、どういう意味だろう? どうも俺には、腑に落ちんのだが」
「何が、腑に落ちんのけえ? 世の中が変って、もう長男が、一人で親の財産を、受け継ぐ時世でもなえし、阿母さまも、お亡なりなさったで……ちょうどお前は帰って来たし、ええ機会じゃから、そういうたんだが。民法も、変っとるでなア」
「兄さんから、民法の講釈なんぞ、聞きたくない……俺が帰って来たら、急にそんなことをいい出すなんて、何か俺の機嫌を取るようで、変じゃないか?」
「別段、お前の機嫌なんぞ、取るわけじゃなえ。変なことなんぞ、ちっともなえじゃないけゃ! わしは先から、そう考えとったんじゃ。