Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
「じゃけえ、お前や亮三郎に、謝ることが何があると、さっきから聞いとるじゃなえけゃ、お前は妙なことをいい出したなア、新次郎! なんのことやらサッパリわからんが、わしはお前や亮三郎に謝るようなことを、なんにもしとりゃせん」
「しとるかしとらんか、だから聞いてるんだ。俺は……俺は、そんな妙な財産なんぞ、欲しくはない!」
「痛くもねえ腹を探られて、わしもお前に、貰ってもらいたくはなえ!」
と兄も、大声を出しました。
「なんじゃい、下らん! そがあな話をするために、朝っぱらから人をこねえなところへ、呼び出して! すんな話なら、もう聞かんかってええじゃろ、話は済んだ! わしみてえな人間と違うて、お前は大した頭の人間になったかと思うたら、案外じゃったなア、新次郎」
と、憐れむように兄は、私に眼を注ぎました。
「わしは、組合へ顔出しゅせんならんけえ、こいで帰る、帰るがしかし……お前はなんと考えるか知らんが、序でだからもう一言いうとこう」
と、二足三足戻りかけた足を止めて、打って変った沈痛な語調で、独語のようにいい出しました。
「これはおかのとも相談したんじゃが……」
おかのは勿論、嫂です。