Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
「…………」
勿論、兄のいう通りでしょう。たとえ農地法で、田地田畑を小作人に譲り渡したといっても、それでもまだ山林、果樹園は何百町歩とあり、兄は村一番の素封家です。村一番というよりも、県下で何番目といった方が、いいかも知れません。その兄が、村に住むのがイヤになって、深井の町へ出て金物屋か荒物屋でもする。
兄のような温厚な人柄なればこそ勤まる。因習に包まれた田舎の、地主家業の煩わしさをよく知っている私には、ふだんならば兄の言葉を、さして不思議とも、聞かなかったかも知れません。が、私の頭には、友達のいった言葉がこびり付いているのです。貴方の兄さんには、女ができている……そしてお母さんを、殺めている……。
ハハア、その女に唆されて、質実な村の生活を棄てて、町へ出ようとしているのだな。そして……そしてそこには、何か村にい堪まれぬような、事情がある……やっぱりそうだったのか! と、私の疑惑は一層、深まりました。
「人が心配して、やきもきしているのに、そう白ばくれるんなら俺も、ハッキリ聞こう! 俺のいうことに、答えてもらおうじゃないか。兄さんは、お母さんが、長い間御病気だったとそういったね? その長い間、医者は一体だれが診てたんだい? 大沢さんかい、甲午堂かい? 蒲原さんには、かかってたのかい?」