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Japanische Klassiker mit Furigana

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いきふどう

橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

「お母さんの病中の心覚えを……たとえば、医者の払いだとか、葬式の費用だとか、……そういうものは、残してあるのかね……?」

「細けえことも誌けとったが、取っといても仕様なえから、もうなんにもなえじゃろう? みんな、燃やしてしもうただろ」

燃やさずにいられないから、燃やしたのと違うかね? 兄さん、それをさっきから俺は聞いてるんだ! と喉まで込み上げるのを、私は我慢していました。

「探してもらえるのかね?」

「見たけりゃ、探してみよう、が、多分もう取ってもなかろ」

「弟二人に、後で見せるためにも、そういうものは取って置くべきものだと思うんだが、兄さん違うかね?」

「そねえな必要もなえじゃろう、後で兄弟に金の負担でもかける気なら、取って置くかも知んなえが、そうでなけりゃ、死んだ後で、帳面ばかし眺めてたって、なんになる? 亡なった仏さまア、生きて返るわけでもあるめえしさ……」

と兄は冷笑しました。

「それならお母さんの葬式には、どういう人たちが来たのか、聞かせてくれ」

「そねえなことが、お前に何の必要があるんけえ?……みんな来たさ。新屋の茂吉つぁんも、長原のおかんさんも、豊田の叔父つぁんも、寛右衛門さんも、新兵衛伯父も、……一々並べられはせん、村中みんな、集まって来たろ、立派なお葬式だった」