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Japanische Klassiker mit Furigana

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いきふどう

橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

た。ちょっとしたことから、あんまり厭な出来事ばかり重なり合うものですから、この次にはまたどういうことが起るのだろうかと、しまいには、まるでもう順番でも待つような気持で怯々ものでございました。

ともかくそのうちに雪も降りまして、もう町はいよいよ年末の売り出しに掛かっているのでございましたが、この頃気がついたことは、どうも家の中がなんともいえずじめじめとして陰気くさくなってきたことでございました。どこがどういうふうに陰気くさいのか、これも取り上げて別段にこうというところはなかったのでございますが、ただ家の中が妙に薄暗く、だれもの顔が変に抹香くさくなってまいったのでございます。

番頭や小僧たちと一緒に店に坐っておりましても往来を眺めておりましてひょいと奥を振り返ったりいたしますと、帳場格子の中に頬杖突いて凝乎とこちらのほうを眺めております親父の顔なぞが、竦然とするほど青褪めた恐ろしい人相に映りましたり、奥の間へ行って仏壇を拝んでいる阿母がひょいと振り向いた顔が、まるで芝居でいたします渡辺の綱のところへ腕を取り戻しにまいりますあの髪を振り乱した羅生門の鬼女そっくりの凄まじい顔に見えまして、思わず飛び上がったりしたこともございました。