Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
「何かお父つぁんの身に変ったことがなければいいがねえ」
と阿母は案じ顔にそう言いましたが、一度閉じた仏壇をまた開いて一心に念仏を唱えはじめました。がその途端にドンドンドンと今度は烈しく戸を叩いて、まさかと思った親父がほんとうに帰って来た時には私もまったく竦然としました。なんともいえぬ気持で、脇の下から粟立つような気持だったのでございます。
「なんだ! なんだ! ただせえ陰気くせえ陰気くせえと言ってるのに二人して蒼い顔をして! こうヤケに降りやがっては堪ったもんじゃねえ」
と全身ビショ濡れになりながら親父ははいって来ましたが、もちろんだれにも話さず急に思い立って帰って来たことですし、知らせになんぞ人を寄越した覚えもなければ、それに第一そんな歯切れのいい東京弁を使う綺麗な女の人なんぞ、一人だって知り合いはないと言うのでございます。
「阿呆らしい! この土砂降り雨の中にだれが物好きにそんな余計なことをしくさる奴がある! おおかたお前があんまり居眠りばかりしよるもんだから狐でも悪戯しに寄ったんだろ」
とろくろく相手にもならずに、濡れているものですからそのまま風呂にどっぷりとつかって、さも気持よさそうに大口開いて笑っておりました。