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Japanische Klassiker mit Furigana

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いきふどう

橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

と親父は腕組みをして苦り切っていました。

「たださえ去年の秋から商売の方も旨く行っていねいのに、またこんな噂でも立った日にはよけい商売の方にも響いてくるし、弱ったもんだ」

「それにしても彦吉が幽霊というわけでもあるまいに、なにもお前さんが彦吉までを怖がることもないだろうにね」

と母も厭な顔をしているのでございます。

「……」

妻はまるで自分が悪いことでもしでかしたかのように、切なげに俯向いておりました。

「ところでそんなことばかり言っていても仕方がないが、さしづめ今夜のところですがね」

と阿母が膝を乗り出してまいりました。だれの彼のというよりも、もしそういう自分の逢ったあの女の人そっくりの幽霊が出るものならば、わたしが自分で今夜はひとつ離れへ泊ってみようじゃないかね、と言い出してきたのでございます。

「怨みのあるところへ出るというのなら話もわかっているが、なんの怨みつらみもないここの家へなんぞ出てケチをつけるのがわたしには腑に落ちない。今夜出て来たらわたしだってもう容赦はないね。向う様どころか! こっちこそ、怨みの百万だら並べ立ててやらなけりゃ腹が癒えないよ」