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Japanische Klassiker mit Furigana

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いきふどう

橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

「ああ極楽や! 広々とした座敷の中でこんな結構な蒲団の上にのびのびと寝てられるものを、お前さんたちは粋狂な人たちやな」

と笑い笑い私たちを眺めて冗談なぞを言っておりました。

それをまた私も笑いながら、蒲団を搬んでおりましたのですが、さすがに親父の寝ている隣り座敷だという安心があったのかもしれません。あるいは座敷が狭くて床を敷くともう幽霊の出てくる隙間もないほどに、一杯になったのに気持が休まったのでございましょうか。

家内もまことに心が落ち着いて、初めて楽しそうな笑顔なぞを見せてくれましたのでつい私もうっかりして阿母の様子も気にかけずに安心して眠ってしまいましたのですが……。

ハッとして夢うつつのうちに、思わず私は枕に頭を擡げて耳を澄ませました。

かたわらに家内は、二日間の疲れが出たのか気持よさそうにスヤスヤと軽い寝息を立てて眠っておりましたが、どこか地の底からでも響いてくるような人の呻き声がかすかに耳を打ってくるのでございます。高く低く尾を曳いて、まるで喉首でも締めつけられているような、総毛立つほど厭な魘され声でございました。

阿母さんだな! と気がついて私がはね起きた時には、隣りで親父も眼を醒ましたらしい気色でございました。