Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
た。
この板戸をあけると、そこが裏庭のまんなかで、表庭からきた池の水ぎわになっているのです。
むかし、御城代さまのころには、ここが非常のときのぬけ口になっていたのかもしれません。
その板戸をあける、博士ははだしのまま、しめった土の上へおり立ちました。おりるとき、心張棒を木剣のかわりに、しっかりとにぎりしめていました。
まっくらな空……そして銀砂子をまいたように、無数の星がまたたいているあたりを見まわしながら、博士はすばやく、庭の人のせたけよりも高いつつじの根元に身をひそめました。
ここならば曲者の目にもふれず、まんいち曲者がちかよってきたら、星あかりにすかして、その正体が見やぶれると思ったからなのです。
……と、ふたたびザクリザクリと、落葉をふむ音が、しのびやかにきこえてきました。
「くるな!」
博士が棒をにぎりなおして、息をのむまもなく、夜目にもしるく白いきものをきたものが、ソロリソロリとちかづいてくるのです。
暗くて、定かにはわかりませんが、どうやらときどきあゆみをとめて、雨によりそっているのは、どこかにしのびこむ隙がないかとさがしている模様です。