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Japanische Klassiker mit Furigana

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いきふどう

橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし、お兄さまがせっかく親切にいってくださるのを、無下にことわるわけにもいかず、とうとうつれだっていくことになりました。

その了福寺は、この吉浦の町はずれから田圃をこえて、山道へわけいった早岐よりの、高い石段をのぼっていった、老樹にかこまれて、なんともいえぬしずけさをたたえた、山寺でした。案内をこうと、

「おうおう、吉浦の健一さんか、遠いところをようこそ見えられたな、さァさァ、こちらへおあがり……」

七十をすぎた老僧は、きさくに玄関へ立ちあらわれましたが、お兄さまのうしろにしたがった博士にチラッと目をそそぐと、おや! といったように、まっしろな眉毛の下のひとみが、さすように博士の面へとまりました。

「健一さん、このお若いかたは、おつれかいな?」

「ハ、まだおひきあわせもしませんでしたが、義弟でして……妹のつれあいなのです……」

「いかんな…これはいかんな……」

と和尚さんは、お兄さまのことばも耳に入らぬようにつぶやきながら、いぶかしそうにじっと、博士の面へ目をとめていられるのです。

「健一さん、くるそうそうろくなことをいわん坊主だと思われるかしらんが、このお若いかたにはおそろしいものがついとるな。