Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
「御母君のごようすはいかがかと、じつは拙者もないないお案じ申しあげとる。なんせ、この暑気ではな……ごようすはいかがでござるな? どんなごあんばいで?」
「病はさしたることもありませんが、ごしょうちのように不自由なからだ、召使どもはおりましても、心ぼそがって一刻もてまえをはなしたがらぬにはこまります」
「ごもっとも、ごもっとも! ごむりもないことじゃ、ごむりもないことじゃ!」
と、左近将監は大仰にうなずきました。
「母御のお身になれば、小金吾どのおひとりが、杖とも柱ともたのみですからな。なるべくご病人の気をいらだてぬように、そばにいておあげなされ」
と、このわがままいちずな御家老は、さっきまでのかんしゃくはどこへやら! じぶんが碁をうちたいばっかりに、その不自由な母親のもとからこの少年をよびつけたこともわすれて、ケロリかんとしてそういいましたが、もちろんこの家老の心のなかに、そんな思いやりなどがあったわけでは、微塵もありません。
ですから、ごむりもない、ごむりもない、そばにいてあげなされ! といっている横から、もうそんなことはわすれて、碁の話でむちゅうです。