Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いきふどう

橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

「そんなことをいくらいったってはじまらない! 癇癖がお起きになれば、見さかいなく人をブッた斬りなさるだんなさまのご気質は、あんただって知ってるでしょう? さ、もうおっつけだんなさまもおかえりになる。わたしもこうしてはいられない。さ、もうわたしはお玄関のほうへいくよ」

「あ、お藤さん待って、待って、ちょっと待って……後生だからちょっと待って!」

「あんたをたすけたことがわかれば、わたしまでも同罪よ。あんたのまきぞえを食うのはわたしもいやだからね。さ、もうわたしはいくよ」

「待って! 待って! 待ってちょうだいったら! 後生だからお藤さん、待ってちょうだいよう……わたしはいったいどうしたらいいんでしょう?」

「だから、殺されるのがいやだったら早くお逃げといってるじゃないか!……人がせっかくしんせつにおしえてあげてるのに!」

「お藤さん、わたしがにげたあとで、あんたにご迷惑がかからないかしら」

しかしそれに返事はなくて、

「お八重さん、あんたの在所は久留里村だとおいいだったわね」

と藤は何か思案するように帯のあいだに手をさしいれました。

「さ、わたしこれだけお金も用意してきてあげたわよ。